研究概要 |
平成20年度にビデオ撮影した6件の撮影データから、家庭的保育室と家庭における幼児の行動を比較、分析し、家庭的保育者の子どもの行動に対する具体的な対応は家庭的保育者の保育方針やその背景となる経歴等の個人的要因によって大きく影響されていることが判明した。撮影した家庭的保育の事例においても保育者によって保育行動が多様であり、子どもに共感的で、援助的に関わる例と保育者のコントロールが強い例が見られたが,子どもは保育室と家庭の大人や友人に合わせて適応的に行動したり、抵抗したり、反発したりしながら自分を発揮していることが明らかになった。 また幼児(1~5歳児)の活動量の日内変動、週内変動および家庭と保育園における特徴、さらに保育園から家庭への移行における変化などについて、沖縄の離島と関東の二つの地域における比較検討を行った。その結果、平日の活動量は、9~10時前後と16時頃にピークが見られることが沖縄離島と関東に共通した特徴が見られたのに対し、週末(二家庭)の活動量は、明確な2つのピークがどちらの地域にも見られなかった。また、保育園から家庭への移行における活動量について、降園の1・2時間前、降園から1・2時間後の4時点の推移を調べたところ、関東では右肩下がりであるのに対し、沖縄離島では降園前後が同程度であることが特徴であった。 さらに,英国版家庭型保育としてのchildminderと家庭での母親に対する子どもの行動について20名の子どもを対象に観察し比較した。その結果,英国でも母親に対する方が泣きや自己主張が激しく,childminderに対しては自制的にふるまうなど家庭型保育と共通の行動傾向が認められた。一方,childminderは日本の家庭型保育者に比べると屋外保育が少なくよりdirectiveな傾向が認められた。
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