研究協力者との第1回ミーティングを平成20年6月29日に開催した。メンバー4名がこれからの研究の可能性と方向性を確認し、協力者との連携を強化して本研究を開始した。 研究の第一歩として、研究協力者とともに、関連資料を収集し、Eメールを通して議論を深めてきた。 平成20年11月29日には、島根大学教育学部教授岩宮恵子氏を講師に迎えての研究会を開催した。川中と研究協力者らは、これまでの研究の途中経過を報告し、岩宮氏からの指導を受け、石見神楽と地域の関係性の理解を深めたり、地域臨床のあり方を検討したりすることができた。 平成20年度は、いくつかの研修を受け、専門的知識を身につけてきた。協力者の一人は、神楽に携わる方々の特徴を知るために、心理検査の研修を受けた。代表者は、地域や神楽という「場」を記述するために、質的心理学会主催の研究を受けた。 また、メンバーそれぞれがフィールド調査を実施した。具体的には、1)国内各地の寺社や教会への訪問および関係する人々へのインタビュー、2)高千穂神楽見学と、3)大元神楽に携わる人へのインタビュー、等である。結果を通して、それぞれの神楽の比較検討を行った。 平成20年度の取り組みのまとめとして、「地域性に関する心理臨床学的研究一島根県における神話と神楽を通しての理解一」と題する論文を、島根大学教育学部心理臨床・教育相談室紀要に投稿した。石見神楽と心理臨床の関係性という視点に加えて、地域を理解することの重要性を再確認した。
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