研究目的:本研究は、授業における言語的・非言語的諸活動の現象を観察記録し、叙述する形式を、以下の5点の解明を通して、明らかにすることを目的としている:(1)授業の諸現象の記録を再構成するための記号の開発、(2)可逆性による記号の妥当性の検証、(3)要因の顕在化、(4)語相互の関連の記号による表記の違いが、どの程度解釈を明示できるかの検証、(5)語と解釈者の間の相互規定性の背後にある解釈者の認識(epistemology)の解明による開放的な知の体系化。 研究成果 1)新たな記号として次の形式を開発した。記号の形式:046『A』/(人物)〔B〕説明:『A』という特的の概念・アイデア・構想に関する(/)、ある人物(人物)がBという意味やイメージを込めていることを示す。具体的には、「茜:高度な技術が使用された二足歩行ロボットができる。」という発言の場合、『二足歩行ロボット』/(茜)〔高度な技術が使用された〕と変換できる。 2)解釈の内容が使用した記号の形式に明示される。「茜:手術ができる二足歩行のロボットができる。」という発言を「手術ができる二足歩行ロボット」というひとまとまりの概念でくくり、それができると解釈する場合には、(手術ができる二足歩行のロボット・できる)と表記する。その場合には(A・動詞)の形式であり、Aは動詞の主語を意味する。しかし、二足歩行ロボットに手術ができるというイメージが含まれていると解釈すると、『二足歩行ロボット』/(茜)〔手術ができる〕と表記する。その場合には、茜という人物がAについてBというイメージを込めているという形式であり、その形式に解釈が明示される。 成果の発信:日本教育学会(東京大学駒場キャンパス)および日本教育方法学会(千葉大学教育学部)で成果を発表した。
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