研究概要 |
学校現場では,テレビやビデオ,CDやDVDなどのメディアを活用して教育実践活動が行われているが,子どもたちや先生の「生の声」を用いて,手作りの教材を作り,教育実践活動を行うことは,容易なことではない。 本研究では,科学研究費基盤研究(B)(「音声発音システムを用いた特別支援教育の教材開発と教授手法の開発」)の成果を踏まえ,通常学校の子どもたちや先生の「生の声」,自然の音などを活用して,教育実践活動に取組んだ。 本研究活動には,音声や音を普通紙にドットコードの形で印刷し,ハンディなツールでなぞって再生する「音声発音(再生)システム」を用いている。音声や音は普通紙にドットコードで印刷されることから,見ただけでは,どんな音声や音が入っているかが分からないという特徴がある。この特徴を活かして,八王子市立由木中央小学校では,各クラスに配る「広報委員会新聞」にドットコードを貼付ける活動を行っている。どんな音声が入っているか「わくわくしながら」サウンドリーダーでなぞって再生する子どもたちの姿が見られる。また,文化祭の「音声入りの会場案内」,総合的な学習の時間の環境(野鳥観察)学習用の「野鳥の声入りのシート」などを作成し,活用している。 八王子市立柏木小学校では,図書委員会の児童が,下級生へ「もっと本を読もう!」と呼びかける,本を紹介する「音声入りのシート」を作っている。また,生活科の授業の学校探検の単元では,校長先生や養護の先生,栄養士の声などの「音声入りのシート」を作成し,活用している。 八王子市立元八王子東小学校では,外国人英語指導員と協力して,手作りの「ネイティブの音声入りの学習シート」を作成し,総合的な学習の時間の外国語活動の時間で利用している。また,これらのシートは,新宿日本語学校と協力して,Hello Book 1,2として出版し,八王子市や日野市の小学校9校で活用している。
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