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2009 年度 実績報告書

歴史教科書の図像に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20653071
研究機関名古屋大学

研究代表者

近藤 孝弘  名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (40242234)

キーワード教科書 / 図像 / 歴史 / ドイツ / フランス / オーストリア / 中国 / 韓国
研究概要

本研究の二つの目的のうち第一,すなわち歴史教科書中の図像の比較分析については,予定どおりに,ヨーロッパの3国(ドイツ・フランス・オーストリア)と東アジアの3国(日本・中国・韓国)を例にとり,具体的な調査を進めた。それら6か国の教科書に掲載された図像の重複を調べたところ,ヨーロッパの3国には共通の図像が比較的見られるのに対して,東アジア3国では,調査した例に関する限り,共通する図像は一つもないことが確認された。こうしたヨーロッパとアジアの相違の原因が,歴史的過程における実際の文化交流の多寡を意味するのか,それとも今日の歴史意識における違い(ヨーロッパは地域的共通性を強調するのに対して,東アジアにはその意識が乏しい)を意味するのかについては,今後さらなる検討が必要である。
第二の目的,すなわち図像への注目を通した,歴史のナラティヴへの意識を育む教育方法の開発については,ヨーロッパの歴史教育に見られる図像をめぐるもう一つの傾向であるマンガ教材とその授業での活用についての調査を行った。オランダならびにドイツでは,旧来の教科書に掲載されていた写真を元に,マンガ教材を作成する試みが進められているが,そのような教材に基づく授業が,実際に生徒の歴史のリテラシーを向上させることになるか否かは,なお検討の余地が大きいとの判断に達した。
なお,以上の二つの研究のうち,前者については日本カリキュラム学会で,後者については日本西洋史学会で報告した。更に後者については2本の論文にまとめることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ホロコーストをマンガで教える?- "Die Suche" が示すドイツの歴史教育の新展開-2010

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 56-2

      ページ: 41-53

  • [雑誌論文] マンガによる歴史教材の可能性-Die SucheとDie Entdeckungに見るドイツにおける歴史教育の限界-2010

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 雑誌名

      戯れのテクノロジー(松下千雅子・E.. ヘイグ・杉村泰編)

      ページ: 48-54

  • [学会発表] 歴史教科書中の絵画に関する比較研究2009

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第20回大会
    • 発表場所
      神田外語大学
    • 年月日
      2009-07-12
  • [学会発表] ドイツにおける第二次世界大山をマンガで教える試み-グラフィック・ノベルDie EntdeckungとDie Sucheが示す歴史教育の展開-2009

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 学会等名
      日本西洋史学会学会第59回大会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      2009-06-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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