研究課題/領域番号 |
20654001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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研究分担者 |
宮地 兵衛 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (90362227)
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キーワード | 代数機何学 / エンリケス曲面 / Coble曲面 / 頂点作用素代数 / 有限単純群 / 超特異K3曲面 / リーチ格子 / モジュラー表現 |
研究概要 |
1.Enriques曲面の退化したCoble曲面と呼ばれる代数曲面の周期領域上の保型形式の族の構成を行った。この保型形式の族は、Griessが構成した2元からなる有限体上の10次元偶2次形式の直交群を自己同型群として持つ頂点作用素代数となんらかの関係があると予想されるものである。2009年9月にエジンバラで行われた頂点作用素代数と保型形式をテーマとした国際会議で招待講演を行い、専門家と研究連絡を行い、保型形式の幾何学的な意味の考察を行った。 2.散在型有限単純群論や頂点作用素代数において重要な格子としてリーチ格子があるが、このリーチ格子の幾何学を用いて7年前にDolgachev氏と標数2のArtin invariant 1の超特異K3曲面の様々な構成方法を見いだした。なぜリーチ格子がK3曲面の研究に有用であるかはいまだに問題であるが、その解明に向けて、この研究に再度取り組んだ。具体的には標数2の超特異楕円曲線の直積で現せるアーベル曲面を位数3の自己同型で商を取って得られる曲面が上記の超特異K3曲面に同型であることを示した。リーチ格子の幾何学から、この超特異K3曲面上には42本の特別な射影直線が存在することが従うが、アーベル曲面上の曲線の配置を用いてこの42本の射影直線の存在の再証明も得ている。この結果は、桂利之氏との共同研究である。 3.有限及び無限一般線型群と一般線型量子群のモジュラー表現論を研究した。これ等の群/量子群の表現の圏の導来圏の三角圏同値を使って表現の圏の比較を行ってきた。より具体的にはランクが同じだが異なる1のべき根における一般線型量子群の有限次元表現の圏の比較を行った。
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