池田保(研究代表者)が大阪市立大の市野篤史(連携研究者)との共同研究で定式化した、特殊直交群上の保型形式のグロスニプラサド型の周期に関する明示的周期公式の論文は学術誌Geometric and Functional Analysisに掲載された。 この予想を主題にした研究集会「第12回整数論オータムワークショップ」を開催し、口頭発表を行った。さらに直交群以外の簡約代数群上の保型形式の周期に対しても同様の結果があるはずであり、これらを研究している。そのためには重複度1型の定理を一般的に扱うことが重要になると考えられる。 市野篤史は上記の予想をカリフォルニア大学サンディエゴ校のW.T.Gan氏と共同研究を行っている。これにより吉田リフトの場合などはすでに結果が得られているが、さらに一般化が可能であると思われる。市野篤史はこの研究に関する口頭発表を数回行っている。また、平賀郁(研究分担者)、市野篤史、池田保の3名による研究チームは形式次数に関する共同研究を引き続き進めている。これらの研究は互いに関連しており、対称空間上の調和解析やHecke環の表現論など、周辺分野への影響も広がっている。
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