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2009 年度 実績報告書

固有振動数と波動方程式の散乱問題について

研究課題

研究課題/領域番号 20654014
研究機関大阪大学

研究代表者

林 仲夫  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)

キーワードクラインーゴルドン方程式 / 最終値問題 / 臨界冪非線形項 / 修正波動作用素の存在 / 共鳴現象 / 振動数 / 最終値の滑らかさ / 変数変換
研究概要

1.3次の非線形項を持つ非線形クラインーゴルドン方程式の最終値問題を研究し,修正波動作用素の存在を示した.その副産物として解の正確な時間減衰評価と漸近的振る舞いを明確にした.非線形クラインーゴルドン方程式の場合,3次の非線形項は臨界冪非線形項と考えられており線形解の近傍で解を見つけることは不可能である.我々は非線形項を,共鳴現象を引き起こす項とそうでない項に分類し,共鳴現象を引き起こす項に対しては,共鳴現象を引き起こす振動数を打ち消すための位相関数を導入した.またそうでない項に対しては部分積分を用いて実際に共鳴項よりも早く時間減衰することを示した.初期値問題に関しては,初期値がコンパクトな台を持つという条件のもとであるが,解の漸近的振る舞いを含めて研究されている.最終値問題に対してコンパクトな台を持つという条件を付ける事ができないことに注意しておく.この結果は国際雑誌J.Math.Phys.,2009において発表されている.
2.2次の非線形項を持つ2次元非線形クラインーゴルドン方程式の波動作用素の存在について研究を行った.この場合,単独の方程式であるので共鳴現象を起こさないことがわかっていることに注意しておく.従来得られている結果に比べ,最終値の滑らかさに関する条件を緩和することに成功した.従来の方法は1985年にShatahによって提唱されたノーマルホームによっていた.我々は片山・砂川によって見つけられた変数変換とStricharz評価と呼ばれるものを用いることによって結果を改良した.この結果は国際雑誌Nonlinear Analysis,2009において発表されている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Final state problem for the cubic nonlinear Klein-Gordon equation2009

    • 著者名/発表者名
      N.Hayashi
    • 雑誌名

      J.Math.Phys. 50

      ページ: 103511-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wave operators to a quadratic nonlinear Klein-Gordon equation in two space dimensions2009

    • 著者名/発表者名
      N.Hayashi
    • 雑誌名

      Nonlinear Analysis 71

      ページ: 3826-3833

    • 査読あり
  • [学会発表] 非線形Klein-Gordon方程式の波動作用素の存在について2009

    • 著者名/発表者名
      林仲夫
    • 学会等名
      阪大微分方程式セミナー
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2009-05-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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