研究課題/領域番号 |
20654028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤田 安樹 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (90115577)
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研究分担者 |
福田 昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70360633)
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キーワード | 量子ホール効果 / 2次元電子系 / 2層系 / マイクロ波 / ソリトン格子 / 磁気抵抗 / ホール抵抗 / マクロコヒーレンス |
研究概要 |
半導体2次元電子系にマイクロ波を照射することにより、低磁場領域で、磁気抵抗がゼロになるが量子ホール状態とは異なる現象が発見された.この状態は、「マイクロ波誘起ゼロ抵抗状態」と呼ばれ、一見量子ホール状態に似た現象に見えるが、ホール抵抗は量子化されないなど、量子ホール状態とは顕著な違いが見られる。2層2次元電子系においては、擬スピン自由度が加わることにより、層間に電子密度差をつけることができるようになり、電子間の相互作用を微妙に調節することが可能となり、マイクロ波誘起ゼロ抵抗状態の理解に有用と考えられる。マイクロ波誘起ゼロ抵抗状態を観測するための2層系高移動度試料の成長を分子線エピタキシー装置を用いて行った.研究棟にできたクリーンルームにオーミックコンタクトやゲートを作るために蒸着装置や紫外線露光器を整えた.現在2層2次元電子系試料にマイクロ波誘起ゼロ抵抗状態測定のための電流、電圧端子を設けるとともに、電子密度調整をするためのショットキーゲートを試料の両面に取り付けた試料の製作を行っている.ミリケルビン温度域までの測定が可能な、マイクロ波の導入が出来る希釈冷凍機を完成させた。この希釈冷凍機は、横磁場を発生できる超伝導磁石を持つので、試料にかける横磁場方向を変化させるために、超伝導磁石自身を回転させる機構にした.50GHz程度までの高周波を発生できるシンセサイザ及びネットワークアナライザを準備し、希釈冷凍機内ヘマイクロ波を導入するために低温用同軸ケーブルを設置した。量子ホール効果測定のためのもう1台の希釈冷凍機の整備・設置した.すでに量子ホール効果の輸送現象測定において成果が得られた
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