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2008 年度 実績報告書

不均一な超伝導体におけるトポロジカル秩序

研究課題

研究課題/領域番号 20654030
研究種目

萌芽研究

研究機関名古屋大学

研究代表者

田仲 由喜夫  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40212039)

研究分担者 押川 正毅  東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
キーワード奇周波数電子対 / エッジ状態 / アンドレーエフ束縛状態 / 量子スピンホール絶縁体
研究概要

1次元電子系においてこれまでTL流体により相関関数を評価することが行われてきたが、奇周波数ペアに関しては議論がなかった。そこで奇周波数ペアを考慮に入れた相関関数の枠組みを考えた。さらに、1次元鎖間のホッピング効果も考慮に入れて、どのように秩序が形成できるのか議論できる理論の枠組みを構築した。他方こうした研究とは独立に、擬1次元電子系のRPA計算を行って、奇周波数ギャップ関数の存在可能性を調べた。1次元性が十分に強くなると、従来の偶周波数スピン1重項d波から奇周波数スピン1重項p波に移り変わることが明らかになった。こうした研究とは独立に、トポロジカルに保護されたエッジ流を空間反転対称性の敗れた超伝導体において考えた。一般に空間反転対称性が破れると、奇パリティ(p波)と偶パリティ(s波)の状態が混ざり合う。s波のギャップ関数の大きさがp波より小さいと、境界にアンドレーエフ束縛状態が現われる。逆にs波のギャップ関数の大きさが大きいとアンドレーエフ束縛状態は消滅する。このアンドレーエフ束縛状態はスピンの向きに依存した分散を持ち、その結果、ヘリカルエッジモードとなる。このヘリカルエッジモードが存在することで、スピン流が生成されることを予言した。一方空間反転対称性の破れた超伝導体とトポロジカルに類似した系である、量子スピンホール絶縁体におけるヘリカルエッジ状態について研究を行った。量子スピンホール絶縁体・金属接合において、金属側から入射した電子の波動関数を詳細に調べて、電子の持つスピンの巨大回転が起こることを示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Giant spin rotation in the normal metal/quantum spin Hall junction2009

    • 著者名/発表者名
      T. Yokoyama
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 102

      ページ: 166801_1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Theory of odd-frequency Superconductivity on a Quasi-one-dimensional Lattice in the Hubbard Model2009

    • 著者名/発表者名
      K. Shigeta
    • 雑誌名

      Physical Review B 79

      ページ: 174507_1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Topological spin-current in non-centrosymmetric superconductors2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Tanaka
    • 雑誌名

      Physical Review B 79

      ページ: 060505_1-4

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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