• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

不均一な超伝導体におけるトポロジカル秩序

研究課題

研究課題/領域番号 20654030
研究機関名古屋大学

研究代表者

田仲 由喜夫  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40212039)

研究分担者 押川 正毅  東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
キーワードアンドレーエフ束縛状態 / トポロジカル数 / トポロジカル秩序 / マヨラナフェルミオン
研究概要

アンドレーエフ束縛状態をトポロジーの観点から研究を行った。時間反転対称性を破らない、ゼロエネルギー(フェルミ面上)に形成されるアンドレーエフ束縛状態を波動関数のもつ性質とバルクのハミルトニアンの持つ性質から研究した。ボゴリューボフ方程式の持つ電子・ホール対称性と時間反転対称性から、カイラリティとよばれる量子数を定義することができ、その結果バルクの超伝導体で定義されるトポロジカル不変量が計算できる。一方で、カイラリティ演算子を波動関数に作用することによって、+-のカイラリティを持つ状態の個数を知ることができる。バルクで定義されるトポロジカル量子数(巻きつけ数整数)が、+-の固有値を持つ状態数の差になっていることが解明された。これは指数定理というもので、ゼロアンドレーエフ束縛状態の持つトポロジカルな性質が解明されたことに対応する。またスピン軌道相互作用が強い空間反転対称性の破れた超伝導の表面状態を調べた。スピン1重項d波とスピン3重項p波が共存するような条件下で、ゼロエネルギーアンドレーエフ束縛状態がマヨラナフェルミオンになることが示された。マヨラナフェルミオンはトポロジカル絶縁体の上に、強磁性体と超伝導体を載せた系においても現れる。マヨラナフェルミオンが準粒子トンネル効果、ジョセブソン効果に与える影響を調べた。こうした研究とは別に、整数スピンからなる、3本鎖のスピンチューブ系の基底状態における相図を、非線形シグマ模型、強結合展開、弱結合展開、数値計算(密度行列くりこみ群)を組み合わせて決定した。スピン2では、断面の三角形の結合が強い極限で、三角形の異方性を変化させることにより4回の逐次相転移が起きる。このように相図は複雑であるが、半奇数スピンを持つ端状態やストリング秩序パラメータで特徴付けられる非自明なトポロジカル相と、それ以外の「自明な」相の2つに分類された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Quantum phase transitions in three-leg spin tubes2010

    • 著者名/発表者名
      D.Charrier, S.Capponi, M.Oshikawa, P.Pujol
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 82 ページ: 075108_1-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anomalous Andreev bound state in non-centrosymmetric Superconductors2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanaka, Y.Mizuno, T.Yokoyama, K.Yada, M.Sato.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 105 ページ: 097002_1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Surface density of states and topological edge states in non-centrosymmetric superconductors2010

    • 著者名/発表者名
      K.Yada, M.Sato, Y.Tanaka, T.Yokoyama
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 83 ページ: 064505_1-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Topological edge states in superconducting systems2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanaka
    • 学会等名
      Superconductivity and Magnetism : Hybrid proximity nanostructures and intrinsic phenomena
    • 発表場所
      Coma-Ruga Spain
    • 年月日
      2010-07-04

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi