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2008 年度 実績報告書

μg単結晶一個を用いた非平衡定常状態熱測定の展開

研究課題

研究課題/領域番号 20654033
研究種目

萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

中澤 康浩  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60222163)

キーワード熱容量 / マイクロチップ / 微小結晶測定 / 分子性固体 / 相転移
研究概要

平成20年度は、微細加工した半導体マイクロチップ(オランダXensor社製)を搭載した極微試料熱容展測定装置の作成からスタートした。SiNを基板としたマイクロチップであるTCG3880ならびにその改良型であるXEN-3935をセット可能な試料ステージを作成し、それを2Kから400Kの温度領域で温度制御可能なクライオスタットを作製しとりつけた。このチップの中央部にある加熱用ヒーター上部に底面が平らな試料結晶をのせ測定を行うための条件を吟味した。ヒーター部に流す電流を矩形波のかたちにプログラムして、温度振動に相当する信号をそのまま1倍モードでLock-inアンプに入れ検出を行った。さらに微小シグナルの高感度の検出のため、現有の電源フィルター(AVRノイズカットトランス)を入れ、信号ラインにDCアンプ、ローパスフィルターなどの電子回路を多段階に加えた。
この装置を用いて、まず交流測定の成立条件を吟味するため温度振幅の周波数依存性を調べた。
本研究で対象とする分子性化合物の磁気転移や超伝導転移などの小さい電子系の異常を吟味するためには、出来るだけ交流振幡を大きくし、また絶対値評価の可能性を吟味するため周囲の交換ガスをぬき高真空状態での測定を検討した。このため、適正な測定周波数が通常の交流法と比べて低周波側にシフトしたが、試料信号は感度良く検出できた。これらの装置を使って、酸化物超伝導体のYBa_2Cu_3O_1-δを測定したところ88Kをピークトップとする熱異常を検出した。同様の測定を分子性結晶(DMe-DCNQI)_2Liに対して行ったところスピンパイエルス転移によると思われるブロードな熱異常を50K近辺に見出すことができた。最大14Tまでの磁場中測定を行いチップの磁揚特性にっいても吟味した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] AC-calorimetry for Detecting Electronic Phase Transitions at Low Temperatures using Micro-Chip Devices2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Inoue, Y. Nakazawa
    • 雑誌名

      Thermochimica Acta (in press)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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