• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

連成解析を用いた流体音源を持つエアリード楽器の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20654035
研究種目

萌芽研究

研究機関九州工業大学

研究代表者

高橋 公也  九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (70188001)

キーワードエアリード楽器 / 流体音 / 練成解析
研究概要

平成20年度は、小さなエアリード楽器(ホイッスル)の解析を圧縮流体のLarge-Eddy法を用いて行なった。これまで、圧縮流体による直接計算では、開口端反射などの音波特有の性質の再現は困難であると考えられてきたが、音波の位相速度の速さを考慮して時間刻みを十分に小さく取り、さらに、流体の運動の詳細を記述するために空間刻みを十分に小さくすることで、2次元モデルではあるが音波と流れが共存する状態を再現することに成功した。さらに、ホイッスルの数値計算を行い、楽器がほぼ定常的に発振している状態の再現に成功した。楽器の開口部にあるエッジに衝突するジェットの流速を変えることにより、楽器の発振特性が変化する。具体的には、流れの速度が遅いときには管体共鳴が起きずエッジトーンが支配的になるのに対し、ジェットの速度がある流速以上になると管体共鳴周波数への引き込みが起き正しい音程の発振が起きる事を確認した。また、楽器の発振はエッジの形状などに極めて敏感に依存することも確認した。数値計算の結果から最適なエッジ角度は10〜30度の間にあると考えられる。さらに、Lighthillの音源項を計算し、音源の強度分布が渦度の分布と強い相関を示すことを見出した。これは、Powell-Howeの渦音理論が数値的に確かめられたことを意味する。このように、これまで数値的な解析が困難であると考えられてきたエアリード楽器の数値解析に成功したことは極めて重要であると考える。これまでの流体音の理論解析の妥当性の数値解析による検証、音と流体の相互作用の定量的評価等が今後の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 楽器に於ける渦音の役割 : 流体と音波の連成計算による解析VI2009

    • 著者名/発表者名
      小林 泰三
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] Itinerant dynamics approach between multiple scales2008

    • 著者名/発表者名
      小林 泰三
    • 学会等名
      What is Creativity? Emergent Phenomena in Complex Adaptive Systems
    • 発表場所
      コープイン京都
    • 年月日
      2008-10-22
  • [学会発表] 楽器に於ける渦音の役割 : 流体と音波の連成計算による解析V2008

    • 著者名/発表者名
      小林 泰三
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] Vortex Sound Source Around a 2D Whistle2008

    • 著者名/発表者名
      小林 泰三
    • 学会等名
      DDAP5 The 5^<th> International Conference on Nonlinear Science
    • 発表場所
      奈良公会堂
    • 年月日
      2008-09-11
  • [学会発表] Sounding Mechanism of Woodwind single-reed instruments2008

    • 著者名/発表者名
      高橋 公也
    • 学会等名
      DDAP5 The 5^<th> International Conference on Nonlinear Science
    • 発表場所
      奈良公会堂
    • 年月日
      2008-09-11

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi