研究課題/領域番号 |
20654051
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 丈典 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 准教授 (90293688)
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研究分担者 |
田中 剛 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
鈴木 和博 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (90111624)
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キーワード | 先太陽系物質 / 高トリウム粒子 / CHIME年代測定 / サブミクロン年代測定 |
研究概要 |
太陽系の形成過程を明らかにする上で、先太陽系物質の年代測定が重要な枠割を果たすと期待さている。そこで、CHIME年代測定によりAllende隕石中の高トリウム粒子に着目し、Th(単核種)-Pb系のCHIME年代測定法の実用化を試みた。 Allende隕石中の高トリウム粒子は1ミクロン程度あるいはそれ以下のサイズであり、効率的に対象粒子を見つけることができるように、現有の電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)の反射電子系の高速化を実施した。主にアンプの速度が原因であることが判明したため、アンプを高速なものに置き換えた。その結果、高速スキャン時でも十分な画質で反射電子像を観察することが可能になり、ステージを高速で駆動させながら反射電子像で平均原子番号の大きい粒子を見つけることが可能になった。詳細に性能を評価したところ、これ以上の高速化は検出用半導体の開発を行わなければならないことが明らかになった。この改造により高効率で試料の探索が可能になったが、高トリウム粒子の発見には至らなかったので、X線マッピングを加えた手法を開発中である。 EPMA定量分析では、未知試料の濃度と標準物質の濃度が近いほど分析の不確かさは小さくなる。そこで、高トリウム粒子に対応した標準物質を調整した。標準物質はトリアナイトとモナズ石を用いて、加藤ほか(2005)及びCho et al(2006)の方法で校正した。校正は、韓國地質資源研究院で実施した。その結果、加藤ほか(2005)及びCho et al.(2006)の方法は、高トリウム粒子用標準物質においても有効であることが明らかになった。
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