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2008 年度 実績報告書

化学的未同定溶存有機物の官能基を探索する試み

研究課題

研究課題/領域番号 20654053
研究種目

萌芽研究

研究機関名古屋大学

研究代表者

西田 民人  名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (60313988)

キーワード溶存有機物 / 有機地球化学 / 生物地球化学 / 海洋化学 / 物質循環
研究概要

本研究の目的は、誘導体化法と核磁気共鳴法を組み合わせて、存在量のおよそ90%が、化学的未同定である海洋の溶存態有機物を分子レベル(官能基組成)で詳細に把握し、熱力学的解析(分子運動及び分子間相互作用)で海水中での動的挙動を推定することで、海洋における溶存態有機物の分解・残存メカニズムを明らかにすることである。
本年度は本研究の初年度であるため、研究に用いるための試料の採取、分析に用いるための前処理条件の検討を行った。
平成20年7月に東京大学海洋研究所所属淡青丸による相模湾・黒潮域を対象海域とした研究航海および平成20年9月に三重大学生物資源学部所属勢水丸による伊勢湾〜三河湾〜黒潮流軸〜四国海盆航海に参加し、これらの航海において、試料を採取した。採取した試料に対し、有機炭素量、同定可能成分(脂質、糖、アミノ酸)の濃度を有機炭素計、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定し、試料の基礎パラメータを得た。
さらに得られた試料について、限外濾過法および電気透析法を用いて、海水中の無機塩類の除去方法について条件検討し、濃縮有機物試料を得たのち、蛍光標識糖鎖電気泳動法を用いて、海水中の溶存有機物に2〜21単糖の糖鎖が含まれることを発見した。これらの糖鎖は、従来海水に酸処理を行うことで検出可能となる単糖類の存在することから、海水には多糖類が存在することが指摘されてはいたが、具体的に糖鎖を構成する単糖の個数までは知られていなかった。海洋の溶存有機物中の多糖類そのものを世界で初めて検出したことは、大きな成果である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海水中の脂質の化学特性2〜溶存脂質の化学特性とその^<14>C年齢〜2008

    • 著者名/発表者名
      西田民人, 谷沙夜香, 塚崎あゆみ, 松崎浩之, 北川浩之, 田上英一郎
    • 学会等名
      日本有機地球化学シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2008-07-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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