研究課題/領域番号 |
20655004
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
川口 建太郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40158861)
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研究分担者 |
唐 健 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40379706)
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キーワード | キラル化合物の赤外分光 / 時間分解フーリエ変換型分光 / パルスノズル / 高分解能分光 / L体とD体の混合 |
研究概要 |
L体とD体は鏡像関係にあるので、反転運動によって相互に変換することができる。しかしながらアラニンなどではその反転運動のバリアーは高く簡単には変換しないため、別の分子として存在できる。一方、'軸性キラル'として知られる分子では変換のバリアーは低くなる場合がある。例としてイソプロパノール(CH3)2CHOHが研究されている。その分子のgauche formではD体とL体の交じり合いの結果、アンモニアのような反転分裂が観測されている。そのような準位からL体の性質をよく保有している状態へ赤外線を照射することにより遷移を起こさせ、それを固定すれば、最終的にはL体の濃縮につながる。 初年度、イソプロピルアルコールの振動回転準位を詳しく調べるために、通常の多重反射セルにサンプルを導入し、高分解能スペクトルの測定を試みた。しかしながら、観測したスペクトルは多くの低振動状態からのスペクトルが多数重なり、個々の線を分離して測定できなかった。そこでPZTを用いた高速繰り返しパルスバルブを製作した。スペクトルの観測は時間分解フーリエ分光器で、高速サンプリングに適しているので、できるだけ速い繰り返しのPZTノズルを目指した。現在、繰り返し200Hzが実現している。フーリエ変換型分光器では広い波数範囲を同時に測定できるメリットはあるが、感度はレーザー分光系に比べると低くなるので、赤外OPOレーザーの整備を平行して行った。高感度が要求される場合はレーザーを用いることが可能になった。
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