研究課題/領域番号 |
20655015
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
内村 智博 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40346820)
財津 慎一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60423521)
今坂 智子 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教務職員 (90193721)
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キーワード | 超短パルス光 / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / 多色レーザー / 質量分析 / パルス幅測定 |
研究概要 |
本研究では、フラグメント化を抑制した高感度分析法になると期待される“インパルシブイオン化法"による爆発物の新規検出法実現に関する研究を行った。平成20年度は自爆テロ等で用いられる有機過酸化物の一種トリアセトントリペルオキシド(TATP)に分析対象を絞り、実験的・理論的両面からの研究を実施した。 1.本研究室独自の手法である誘導ラマン散乱によるスペクトル拡張法を深紫外領域の超短パルス光に適用し、その後にプリズム対によるパルス圧縮を施すことによって、時間幅50fsの超短パルス光の発生と、質量分析器を検出器とした自己相関計による時間幅計測に成功した。 2.上述した光源をそのまま適用し、フェムト秒レーザーイオン化法に基づいたGC/MPI/TOF-MS法によって、TATPの定量分析を実施した。パルス幅の短縮に伴う親イオン検出効率の増大と解離によるフラグメントイオンの抑制を初めて観測した。これによりイオン化光源となる超短パルス光の時間幅短縮が、TATP分析において有用な手法となることを初めて示した。また、検量線を作成し、本手法がTATP分析に対して十分な直線性と検出限界を有することを明らかにした。 3.非経験的分子軌道法プログラムのGaussian03を用い、TATPのイオン化ポテンシャルを求めるため、まず、基底状態の最適化構造とエネルギーをハートリー・フォック法で、さらに、その2次補正であるメラー・プリセット法で求めた。次にクープマンの定理を用いることで予測値を決定した。
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