配位高分子は金属イオンと有機配位子からなる無限構造を有し、高分子でありながらX線単結晶構造解析が可能なほどの高い規則性や、内部空孔を自在に形成することができるといった、有機高分子には無い特異な特徴を有する。また内部空孔に取り込まれた分子が、化学圧力と呼ばれる特異な相互作用を受けることにより、低圧における多量の吸着や、爆発性物質の安定な取り込みなどが可能になるという興味深い吸脱着特性を示すことが見出されてきた。 本研究の目的は、物質の高密度・高速輸送に最も適した液体相において、空孔内への取り込みによる変化を調べることである。具体的には、Metal-Organic Frameworksを基盤材料として頑強なフレームワークを構築し、液体分子を空孔内に取り込み、その取り込まれた液体の相挙動及びダイナミクスを、交流インピーダンス法や固体NMR、中性子散乱実験などにより、詳細に解明した。
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