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2008 年度 実績報告書

遺伝子発現の時空間制御を目的とした外部刺激応答性スイッチの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20655038
研究種目

萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

小比賀 聡  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80243252)

研究分担者 兒玉 哲也  大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00432443)
キーワード分子スイッチ / 人工核酸 / 光感受性 / 機能性RNA / 遺伝子制御
研究概要

任意のタイミングで遺伝子発現のON/OFFを制御できるシステムを構築するための遺伝子スイッチ候補分子として、ウレタン架橋構造またはメチレンアセタール架橋構造を核酸糖部に有する4'位修飾RNA誘導体を高度官能基化した新規刺激応答性人工核酸を設計した。
ウレタン架橋型RNA誘導体についてはその特性が未知であったため、高度官能基化に先立ちその特性を精査した。その結果、ウレタン架橋型RNAモノマーはその化学構造自身を制御する事が困難であり、速やかに別構造へと変化するため本研究には適さない事が明らかとなった。しかし、変化により生成する構造は全く新しく、オリゴマー化により新たな核酸系素材としての機能性を期待できる。
一方、メチレンアセタール架橋RNA誘導体は既に2',4'-BNA^<coc>として開発を進めており、高いRNA選択的親和性を明らかにしている。本研究ではこの2',4'-BNA^<coc>をニトロフェニル化することにより光感受性スイッチ化する事とし、その合成はD-グルコースを出発原料として14工程を経ることで達成した。鍵であるスイッチ化に関わる合成効率は、そのスイッチ化に関与しない官能基の保護基の選択が大きく影響し、核酸糖部構造を予め生成物,の立体構造に近い形に固定化できるシリル系保護基が有効である事を見いだした。合成した4'位修飾RNAモノマーの光感受性機能を、NMRおよびHPLCを分析手法として用いる事で詳細に評価したところ、僅か5秒間の紫外線照射により光感受性官能基化4'位修飾RNAモノマーは消失し、異なるRNA誘導体へと変化する事が分かった。
さらに、この新たに生成したRNA誘導体は、アミンなどの求核種で処理するとさらに異なるRNA誘導体へと変化する事を明らかとした。すなわち「光」と「求核種」による2段階スイッチとして機能する全く新しい機能性素材の開発に成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A Bridged Nucleic Acid, 2', 4'-BNA^<COC> : Synthesis of Fully Modified Oligonucleotides Bearing Thymine, 5-Methylcytosine, Adenine and Guanine 2', 4'-BNA^<COC> Monomers, and RNA-selective Nucleic Acid Recognition.2009

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Mitsuoka
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res 37

      ページ: 1225-1238

    • 査読あり
  • [学会発表] カルバマート骨格を有する新規架橋型人工核酸の合成とその評価2008

    • 著者名/発表者名
      西田 勝(小比賀 聡)
    • 学会等名
      第3 4回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20081104-20081105
  • [学会発表] 光開裂型人工核酸2', 4'-BNA^<COC>アナログの合成2008

    • 著者名/発表者名
      森廣 邦彦(小比賀 聡)
    • 学会等名
      第5 8回日本薬学会近畿支部大会
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      2008-10-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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