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2008 年度 実績報告書

半導体レーザーアブレーションによるバイオ薄膜の作製

研究課題

研究課題/領域番号 20656008
研究種目

萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

鯉沼 秀臣  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究所, 特任研究員 (70011187)

研究分担者 伊高 健治  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究所, 特任研究員 (40422399)
キーワードDNA / 薄膜 / レーザーアブレーション / 超分子
研究概要

バイオマテリアルの薄膜化はバイオ工学の基礎であり、溶液プロセスが主に用いられてきた。しかし溶液プロセスでは溶媒混入による不純物の問題や、集積化・デバイス化のためのパターンニングが困難という問題がある。DNAチップやバイオデバイスの更なる展開にはバイオマテリアルの高品質薄膜化・積層化が欠かせないため、不純物のフリーの高品質薄膜が作製できる新手法が求められている。
本研究課題では、この要求を満たす手法として赤外領域の連続光半導体レーザーを用いた分子線エピタキシー(MBE)法を提案し、バイオマテリアルの薄膜化を進めている。無機材料のレーザーアブレーションの場合に用いられるパルスレーザーは、有機分子材料に適用する場合、多光子過程によって分子内結合を切断する。またMALDI TOF-MSでよく用いられるマトリックスの使用は不純物の混入を招く。そこで赤外線連続光レーザーの採用によって多光子過程を抑制し、分子構造を維持した製膜が可能となる。通常の真空蒸着では、原料がるつぼ内で加熱され続けるために、熱変性が起きることがあるが、本手法により、短時間で気化でき、原料の熱変性を極力抑えることができた。
平成20年度の研究では、赤外線半導体レーザーMBE法を用いて、Si基板上にsalmon DNAとその構成要素である核酸塩基(adenine, thymine, cytosine, guanine, uracil)の有機薄膜の製膜を行った。上記全ての核酸塩基についての薄膜化に成功し、FT-IR測定から原料の分子構造を維持した薄膜であることが分かった。次にSalmon DNAについても薄膜化に成功し、FTIR測定ではいくつかの構造変化は見られたものの、振動ピークがいくつか観察されており、分子構造が一部変性していることを示唆している。製膜条件の更なる最適化によって、変性を抑制できると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 分子性材料薄膜成長中のRHEED強度振動2008

    • 著者名/発表者名
      伊高健治
    • 雑誌名

      日本結晶成長学会誌 35

      ページ: 249-254

    • 査読あり
  • [学会発表] 赤外線YAGパルスレーザを用いたコンビナトリアル金属電極の作製2008

    • 著者名/発表者名
      伊高健治
    • 学会等名
      応用物理学会2008年秋季学術講演会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2008-09-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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