研究課題
萌芽研究
1995年以来、太陽系以外の惑星(系外惑星と呼ぶ)は、恒星のドップラー速度や明るさの変化などで間接的に約300個が確認され、最近、巨大惑星が直接撮影された。系外惑星(特に地球型惑星)の直接検出と特徴の分析は現代天文学の最大の課題の1つとなっている。直接検出のためには、惑星よりも極めて強い恒星の回折光や波面誤差によるスペックルノイズ(散乱光)を除去(Nulling)し、埋もれていた惑星の光を直接検出する撮像光学システム(コロナグラフと呼ばれる)で10桁以上の広いダイナミックレンジが必要とされている。本研究では、幾何学的位相と渦位相を利用して、可視光全域で6桁を超える消光比の干渉計を構築し、望遠鏡搭載の目処を得ることを目標とする。本研究は、2段の立体Sagnac干渉計で成り立っている。初段Sagnac干渉計は、幾何学的位相により180度位相差をつけた2光波で打ち消しあうもので、既に2色の光源でIE-6@5λ/D程度の消光比を達成している。後段Sagnac干渉計は90度の位相差をつけるものである。2段を通す一つの光路案により、広い範囲で打ち消しあう4光波干渉の特性がコヒーレンス関数として測定された。次に、瞳面や像面における干渉状態をも観測するため、光路の短い初段干渉計と後段干渉計の光路を検討し、設計を終了させ、一部の製作を終了した。2段にするときは単独時には不要な波長板を初段干渉計に挿入する必要があり、本設計ではアクロマティックなフレネルロム波長板を設置角を切り替えられるように導入し、位相差を切り替えた観測が可能になった。
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