2009年8月に山形大学において、相互の研究の進捗状況を話し合い、今後の計画を立てた。以下、それぞれの大学での概要をまとめる。 1. 青山学院大学 2008年度は、商用の汎用熱流体解析ソフトウェアのCFD++を用いて解析を行い、ある特徴的な周波数が現れる事を確認した。2009年度は、計算技術や循環の特性について議論を行うために、テイラー・クエット流れの計算コードを開発し、自由にデータを扱えるようにした。しかしながら、非定常の三次元計算は計算負荷が非常に高く、検証を十分行える余裕が無かった。2010年度は、検証を十分に行いたいと考えている。また、数値計算を実行するための計算機環境の整備を行った。201G年度は、これまでの成果を学会で発表する予定である。 2. 山形大学 アナロジー理論を検証するため、円筒形超伝導体における磁束の量子化に類似した形で、テイラー・クエット流れにおける循環の量子化が起こりうるのかどうかを、オリジナル計算コードを用いた3次元数値シミュレーションによって調べた。その結果、循環の量子化と言えるほど明確なものではないが、レイノルズ数が1000<Re<1500あたりの範囲で、循環のステップ状の変化の兆候らしきものをとらえることができた。2009年度までの結果だけではアナロジー理論の有効性を十分に示すことはできなかったが、2010年度も研究を継続することで、より明確に有効性を示すことができる可能性がある。また2010年度は、これまでの成果を学会で発表する予定である。
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