研究概要 |
本研究課題では,各種のデジタル機器を典型とする高密度実装機器などでの構成要素の小型化とパッケージ全体の小型化を同時に考える階層的な配置設計法の必要性に対して,複合領域最適設計(MDO)における分解法の考え方を踏まえつつ,配置設計のための階層的な最適化計算法の構築に取り組んだ.平成21年度の研究実施内容は以下の通りである. 1.上位階層が3次元矩形要素配置問題,下位階層が2次元矩形要素配置問題となる階層型準3次元配置設計問題について,前者の最適性に対する後者の最適性についての部分問題としてのPareto最適性に着目した協調構造を抽出した. 2.1による協調構造を基盤として,前者をSequence Quintupleによる位相構造表現とシミュレーティッドアニーリング(SA)による探索で,後者をSequence Pairによる位相構造表現と多目的遺伝的アルゴリズム(MOGA)による探索で操作しながら,両者の連係により優れた配置設計解を導出する計算アルゴリズムを構築した. 3.2によるアルゴリズムを計算機上に実装して,高密度実装機器を模擬した例題に適用することによって,その妥当性や計算効率について検討した. 4.また,高密度実装機器などの配置では,単に幾何的な条件を満足するだけではなく,各種の力学的条件を充足することが不可欠であることを踏まえて,位相構造表現のもとでのSAやMOGAによる探索の過程で,段階的に力学的条件を加味しながら,複合的に優れた解を導出するためのコンカレント評価法についての基本的な考え方を構成した. 5.4に関して,単層3次元矩形配置問題を取り上げて,幾何的条件と熱的条件のもとでの優れた配置を探索するための計算アルゴリズムを試行的に構成し,その可能性について検討した.
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