研究概要 |
本研究は,圧力の自在な2次元計測を可能にすることを目標とする.流体計測に関しては,速度,温度,圧力の計測に関して近年,多次元計測が展開されている,その中で近年,顕著な成果を上げた圧力の計測法としては,感圧塗料(PSP)の開発が記憶に新しい.PSPは,分子レベルでの光反応を利用した非常にユニークな手法であり,将来性のあるものと言えるが,現在では応答性とダイナミックレンジにおいてまだ多くの制約を余儀なくされている.本研究では,これを打開すべく,非常に単純な計測原理に基づき,ロバストな2次元圧力計測法を展開する,原理は,2次元にセル状に配列された軟弾性体の一つ一つの,圧力による面外方向変位をスペックル法により計測することで圧力を計測しようとするものである. 平成20年度には、2次元圧力計測を行うセンサー部分(圧カセンサーセルマトリックスと呼ぶことにする.)の基礎開発を行った。ならびに、圧力を付加したときのセルマトリックスの表面の変位量の計測を行った。圧力センサーセルマトリックスの大きさを5mm×5mm程度として,その中に,5×5行列の圧力検知セルを形成した.得られた結果は、次の通りである。1)加えられた圧力に対して適切な変位が得られる軟弾性体を選択することで、圧力計測が可能であることが示された。2)面の法線方向変位量は、4μm程度が適切であり、また圧力セルの直径は0.5mm程度であれば、通常の方法によって計測が可能である。また。この範囲内で十分に干渉縞が生成されていることが観察された。
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