研究概要 |
本研究ではMEMS分野で現在広く実施されている光放射圧を用いた研究を,実用可能なものにするための新しい取り組みを提案している.従来の高NA対物レンズを用いた作業領域に比べて複雑かつ三次元構造の大きな光学系を作業領域上方に設置する必要のない,2次元平面内に収めることのできる光の反射現象を用いた高密度分散型動力発生機構の開発を目指している. 平成20年度においては,研究実施計画にもとづき,本研究室が保有する基本技術を「光駆動によるモーター」開発の基礎データとして利用できるように整理した. また,「光駆動によるモーター」の心臓部となる「軸つきローターならびにケーシング」製作のためのシリコンプロセス技術を開発した.このローターの製作は,東京大学藤田研究室において開発されている「静電気力モーター」製作における直径100μmのローター製作技術を本研究で開発する軸つきローター製作技術へ置き換えることによって行うこととしている.したがって,本年度は本研究の最終目標である直径40μmのローター製作技術開発のために,直径100μmのローター製作技術を実機による製作のためのレシピーを完成させ,さらに,シリコンプロセスシミュレーターを用いて,直径40μmのローター製作レシピーとして完成させた.この製作レシピーにしたがって,直径100μmならびに,40μmのローターを製作した.現在,その製作されたローターの加工精度を検証している. ローターの回転特性をシミュレーションするとともに,光導波路としてのファイバー設置法をケーシングとの配置を考慮して検討した. 研究成果ならびに製作時に用いた新たな計測技術を論文・学会発表によって公表した.
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