研究概要 |
本研究ではMEMS分野で現在広く実施されている光放射圧を用いた研究を,実用可能なものにするための新しい取り組みを提案している.従来の高NA対物レンズを用いた作業領域に比べて複雑かつ三次元構造の大きな光学系を作業領域上方に設置する必要のない,2次元平面内に収めることのできる光の反射現象を用いた高密度分散型動力発生機構の開発を目指している. 平成21年度においては,研究実施計画にもとづき,グラスファイバーによる光導波路をシリコンウエハ上に作製し,同時に作製したローターフレーム内で,表面を白金コートしたシリカ球(直径4μm)をレーザー照射することによって,回転力発生状況を観察・確認した.入力パワーと回転特性については今後詳細に検討することができる段階にいたっている. 上記回転力検出実験とともに,光導波路をシリコン基板上にSiO_2によって張り巡らせる技術の開発を同時に進めた.前年度より懸案であった軸付ローターについては,一部シリコン酸化膜作製条件の条件出しを行う必要があるものの,作製プロセスを構築することができた.この結果として,単体としての「光駆動によるモーター」製作を光導波路よりレーザー光を照射することのできる状況に至っている.平成21年度に掲げた研究計画は、ほぼ達成することができた.機械学会において成果を報告した.
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