• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

絶縁紙-氷複合絶縁による高温超電導ケーブルの新しい極低温電気絶縁構成の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20656048
研究種目

萌芽研究

研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

長尾 雅行  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)

キーワード極低温 / 複合絶縁 / 絶縁破壊の強さ / クラフト紙
研究概要

現在開発が進められている高温超電動ケーブルの課題の一つに電気絶縁がある。電気絶縁方式としては、従来技術の延長である絶縁紙-液体窒素複合絶縁系が用いられているが、気泡の発生により電気絶縁性能および長期信頼性の低下が懸念される。そこで、申請者らは極低温領域において優れた絶縁性能をもつ固体絶縁方式に着目し、室温では絶縁の天敵である水が低温では絶縁物である氷になることを利用して、電気的弱点である液体窒素を様々な利点をもつ氷に置き換えた絶縁紙-氷複合絶縁系を開発した。本研究では、この絶縁紙-氷複合絶縁系の電気絶縁特性を解明し、高温超電導ケーブルにおける新しい極低温電気絶縁構成の開発を促進することを目的した。
各種周囲媒質におけるクラフト紙の直流絶縁破壊特性は交流の時と比べ、全体的に1.4〜2倍上昇することが分かった。これは、直流では交流の場合より部分放電が起きにくく、劣化が進まないためであると考えられる。また、室温空気や室温気体窒素などの周囲媒質の時に比べ低温気体窒素におけるDC-Fbの上昇が特に大きく、これには以下に示すように破壊機構による違いが寄与していると考えられた。交流では高電圧印加による激しい放電を伴って絶縁破壊に至るが、直流ではセルロース繊維の表面を流れる電流により発熱し破壊に至ると考えれば、低温気体窒素が周囲媒質の場合は低温であることにより表面漏れ電流が抑制され、発熱も抑制されて、DC-Fbが上昇すると思われた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 液体窒素複合絶縁系における放電電流波形に基づく放電形態の識別2009

    • 著者名/発表者名
      村上義信, 中村英輔, 長尾雅行, 穂積直裕
    • 雑誌名

      電気学会研究会資料誘電・絶縁材料研究会DEI-09-14〜25

      ページ: 41-45

  • [雑誌論文] Identification of Surface Discharge Based on Discharge Current Waveform in Composite Insulation System of LN_2 and Solid Insulator2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Tanaka, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of 2008 International Symposium on Electrical Insulating Materials (CD-ROM)

      ページ: 135-138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 極低温領域におけるPPLP紙および絶縁紙-氷複合絶縁系の絶縁破壊特性2008

    • 著者名/発表者名
      河野芳弘, 他
    • 雑誌名

      平成20年電気学会基礎材料共通部門大会 (CD-ROM)

      ページ: 339-344

  • [学会発表] 絶縁紙-液体窒素複合絶縁系の絶縁破壊特性と周囲媒質の影響(II)2008

    • 著者名/発表者名
      河野芳張, 他
    • 学会等名
      平成20年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集
    • 発表場所
      愛知県立大学(CD-ROM)
    • 年月日
      20080918-20080919
  • [備考]

    • URL

      http://www.boss.eee.tut.ac.jp

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi