研究概要 |
磁性体の配置を計機に自動的に決めさせることにすれば、人間の主観は全く入らず自由な発想で磁気回が設計できることに着目し、かつモータのように可動部分を有する磁気回路の取り扱いを可能にすることにより、人間が今まで予想していなかった(サプライズな)形状・トポロジーを求めることが出来る設計手法(スキーム)を考案することを目的として研究を行った。本年度の成果を要約すると,以下のようになる。 (1)移動する設計領域内に磁性体を貼り付ける方法の検討 磁性体を貼り付ける際に、磁性体の島が出来て現実に製作できない形状が求まらないようにするため、スムージングやアニーリングを行う手法、さらにはその改良版の検討を行い,モータの回転子の形状を求めることを可能とした。スムーズな形状を求められるよう,今後要素分割に工夫が必要であることがわかった。 (2)移動する磁性体の感度の高速計算法の考案 磁性体の各位置に対して随伴方程式を導き、各位置の感度を計算して最終的にそれらを足し合わせることにより、トポロジーの修正に必要な感度を計算する手法を確立した。これにより計算の高速化を計ることができた。 (3)可動部分を有する場合の感度を用いた最適化法の開発 モータのように、複雑な形状をしている場合でも現実的な解(サプライズな解)が求められるような設計領域の選定の仕方、磁石と鉄、コイルの混合最適化法を考案して、本手法の実機への適用法を開発した。研究成果を平成21年11月の国際会議で発表する予定である。
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