研究概要 |
初年度は、本研究の根幹をなる超高周インバータの大電力化を目指して、V/I変換形ユニットを用いた超高周波インバータ(出力周波数13,56MHz、出力電力1kW)のプロトタイプの製作と性能評価・改善を行った。具体的研究項目は下記である。 (1)相補形共振ゲート駆動による高効率高周波駆動手法の開発: 相補形共振ゲート駆動回路の詳細設計を行い、インバータプロトタイプに実装した。その結果、従来の充放電形のゲート駆動回路と比較して駆動損失を約1/10に低減できた。 (2)V/I変換ユニットの最適定数の算出 V/I変換ユニットとして重要な同軸ケーブル基本特性を調査し、数種類の同軸線路の中から高効率化に適した5D-2Vケーブルを選定した。 (3)一体構造インバータ(一次試作器)の作成 上記(1)、(2)で製作した要素を踏まえてプリント基板上に一体化したインバータ装置を製作した。動作試験を行い、13.56MHzで動作することを確認した。最高効率約80%を達成したが、出力電圧が高い場合に効率が低下する問題が明らかとなった。損失分析を行い同軸線路の損失が予想以上に大きいことを明らかにした。 (4)20年度の研究の取り纏め 13.56MHz出力のインバータの設計と製法評価試験を実施した。動作周波数は所期の目標を達成したが、変換効率は改善の必要があることが明らかとなった。
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