研究課題
萌芽研究
本年度は生物学的解析として統合失調症リスク遺伝子であるニューレグリントランスジェニックマウスを用いて橋核からの投射のある運動野をマウス前頭前野と定義し、前頭前野と小脳での神経活動を、従来の方法1)シングル電極測定、2)表面電極測定、3)従来の膜電位感受性色素を用い測定し比較検討した。大脳皮質、小脳と比較的表面での神経活動測定では、光計測法(Di-4-ANEPPS使用)でも電極法同様の結果が得られる。また、上記計測結果より、ヒトの脳深部刺激で頻用されている円筒状刺激記録電極での測定が必要と思われたので、まず動物用デバイスの開発として、上記測定結果から電極の形状を変え、円形で直系500μmの壁面に平板電極を8平面貼付けた形状の電極の試作を行い解析システムを組み立てた。また膜電位に応答するプローブ開発としては、分極誘導を利用した電圧感受性色素の開発を先行させた。分極誘導を利用した電圧感受性色素のデザインを行い、シミュレーションにより分極の可能性を検討した。一方、Di-4-ANEPPSに代表される現在まで報告されている膜電位感受性プローブは、電場に応じて分子内電荷が移動し、直接電位を検出できるという利点がある反面、実際に電場に応答する分子数が少なく、感度や周波数応答性に限界がある。そこで、網羅的な合成と評価システムの必要を感じ、液晶フィルム上に合成プローブをふりかけコレステリック液晶(高感度温度感受性:温度の相転位幅が22℃〜40℃)またはキラルスメチック液晶(高速電場応答)を利用し、偏光顕微鏡で観察するというスクリーニング系を考案した。このシステムを用い液晶ピッチの変化の大きい合成色素を選び出すという簡便な手法を用いる事により多量の合成産物の評価が可能となった。
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Schizophrenia Frontier (In press)
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