研究概要 |
本研究では,利用可能性のある経路群をまず出発地において戦略的に選択肢,その後近くへ到達した時点で交通状況を認識し,結果として経路選択確率が変化することを確率事象としてとらえる方法論の構築をめざす.最小所要時間経路が確率的に変化することを認め,その元での期待所要時間を最短とする経路群(hyperpath)をドライバーは選択しているとする.そして,目の前の交通状況や信号現示に応じてhyperpath内のひとつの経路が結果として利用されるものとして信号制御の影響を考慮した経路選択行動のモデル化を試みる. 研究初年度である平成20年においては,主に関連研究のレビューとアルゴリズムの概念構築を行った. 1.経路選択行動/最短経路探索アルゴリズムに関する文献レビュー 道路交通ネットワークおよび公共交通ネットワークにおいて今まで提案されている経路選択行動モデルの考え方,行動規範について文献レビューを行い,その特徴を整理した. 2.期待所要時間最小hyperpathの概念整理 期待所要時間最小hyperpathの考え方を数理的に表現し,その特性,例えば最適性原理の適用可能性や所要時間関数の数理特性などについて検討を加えた. 3.期待所要時間最小hyperpath探索アルゴリズムの構築 近年の最短経路探索アルゴリズムの開発状況をふまえ,効率的なhyperpath探索アルゴリズムの構築を検討した.
|