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2009 年度 実績報告書

新規酸素吸着剤としてのペロブスカイト型酸化物の調製と特性評価

研究課題

研究課題/領域番号 20656104
研究機関九州大学

研究代表者

三浦 則雄  九州大学, 産学連携センター, 教授 (70128099)

キーワード酸素分離 / 複合酸化物 / ペロブスカイト型構造 / ブラウンミレライト型構造 / 圧力スイング吸着法 / PSA / 酸素吸着剤 / 機能性セラミックス
研究概要

本研究では、圧力スイング吸着(PSA)法による高効率な酸素製造のために、従来の酸素吸着剤よりも大幅に優れた特性を有している可能性があるペロブスカイト型複合酸化物を新規酸素吸着剤として取り上げた。具体的には、種々の組成のペロブスカイト型酸化物試料を調製し、結晶構造変化、物性評価、酸素吸着条件の最適化を行うことを目的として研究を進め、本年度は以下のような成果を得た。
1) 吸着剤試料の調製とそれらの構造・物性評価
LaやCoを全く含まない安価な元素を用いたBaFeO_<3-δ>及びSrFeO_<3-δ>を蒸発乾固法により調製した。得られた両試料について酸素吸着破過曲線の測定を行ったところ、SrFeO_<3-δ>試料は700℃付近の高温領域で優れた酸素収着特性を示し、その時の可逆的酸素収着量は約10cm^3/gに達した。一方、BaFeO_<3-δ>試料の場合には、300℃付近の低温領域で6cm^3/g程度の酸素収着量が観察されたため、低温でも比較的良好な酸素収着特性を示すことが分かった。したがって、SrFeO_<3-δ>は高温作動型、BaFeO_<3-δ>は低温作動型酸素吸着剤として分類することができた。
2) 酸素収脱着に伴う結晶構造変化の検討
SrFeO<3-δ>試料の酸素収脱着に伴う結晶構造変化を、最も大きい酸素収着量が得られた700℃で調べた。その結果、この試料は酸素収着時には立方晶ペロブスカイト型構造を示し、酸素脱着時には斜方晶ブラウンミレライト型構造に可逆的に変化することが分かった。一方、BaFeO_<3-δ>試料についての酸素収脱着に伴う構造変化を300℃において調べた結果、この試料は、酸素収着時には三斜晶ペロブスカイト型結晶構造をとるが、酸素脱着時には単斜晶ブラウンミレライト型構造へと変化することが分かった。以上のように、両試料ともに、酸素の収脱着に伴って結晶構造が可逆的に変化することが確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Fe系ペロブスカイト型酸化物の酸素収脱着特性と結晶構造変化2010

    • 著者名/発表者名
      増永敬充
    • 学会等名
      電気化学会第77回大会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] Sr-Fe系およびBa-Fe系酸化物における酸素収脱着特性の比較2010

    • 著者名/発表者名
      増永敬充
    • 学会等名
      第48回セラミックス基礎科学討論会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2010-01-13
  • [学会発表] Ba-Fe based Perovskite-type Oxide as Potencial Oxygen Sorbent for Pressure-Swing Adsorption Process2009

    • 著者名/発表者名
      S.Akita
    • 学会等名
      The 17th International Conference on Solid State Ionics
    • 発表場所
      Tronto, Canada
    • 年月日
      2009-06-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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