放射線照射用フィルターの作製に関する以下の実験を行った。 (1)紫外線照射により金属ナノ粒子含有マイクロカプセルを調製した。壁膜成分とマイクロカプセル化法を変えた実験を行った。そのうちで膜乳化法を用いてバイオベースポリマーを壁膜成分として用いたものはほぼ単分散でまた壁膜は放射線分解性であり、フィルターとして必要な条件を満たすことが確認できた。 (2)温度制御により容易にスピノダル領域での放射線照射を行うことのできる系としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)水溶液を選択し、この系の相図、スピノダル線、粘弾性、ゲル化点の測定を行なった。また、塩を加えることによるスピノダル腺の温度をを下げる実験を行った。さらに、相図上のいくつかの点においてガンマ線照射を行い、得られた試料についても同様の測定を行なった。これらの実験により、フィルターとして用いることの出来る条件を決定した。 (3)(2)の系を用いて、室温に近い温度でのスピノダル分解過程のクエンチによる規則構造の保持を行った。
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