研究課題/領域番号 |
20656138
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
荒尾 雄二郎 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (40151146)
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研究分担者 |
難波 ひかる 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20273972)
木村 美幸 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (60346418)
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キーワード | 糖 / 遺伝子 / ウイルス / プロモーター / 蛋白質 / 発現 / 制御 / 促進 |
研究概要 |
本研究は、「ウイルスプロモーターで制御された外来遺伝子の発現が培養液中に添加した糖により促進された」という知見をさらに発展させるために実施された。 1本研究で促進効果を調べた30種類の糖と以前に調査した28種類の糖の結果と併せて比較検討した。その結果、二糖は単糖より、またアルコール糖は、対応する非アルコール糖よりも促進効果が高かった。lactuloseとmaltuloseが最も高い促進効果を有し、その両者の構造には、D-fructoseの4位の炭素でもう1つの糖と結合するという共通点が存在した。 2糖による外来遺伝子発現促進に関して、CV-1、CHO-K1、並びにHeLa細胞では糖による遺伝子発現促進が誘導されたが、RK-13細胞では誘導されなかった。ウイルス由来プロモーター(CMVIE、SV40、RSV、SRα)と同様に非ウイルス由来プロモーター(UbC、EF-lα、polII)でも遺伝子発現促進が誘導された。一方、ウイルス由来であっても発現に前提条件が必要なHSVTKプロモーターでは誘導されなかった。 3L-glucoseや他のD-glucose類似体を用いた検討から、糖の促進効果は、高浸透圧によるものではないこと、並びに糖がエネルギー源となることには関連しないこと、が明らかとなった。 4RT-PCR法によるレポーター蛋自のmRNA解析から、糖は転写段階から促進していることが確認された。一方、ゲルシフト分析法による転写関連因子の解析、並びにウェスタンブロット法によるシグナル伝達経路の解析からは特記すべき情報は未だ得られていない。 5マイクロアレイ法による遺伝子発現の網羅的解析では、nerve growth factorをはじめとする138個の遺伝子では発現が50%以上上昇していた。これに対して、STAT1をはじめとする30個の遺伝子では発現が50%未満に低下していた。
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