本研究の目的は、 世界的に問題とされている船舶バラスト水問題の解決方法として、海水を用いたバラスト水に代わるバラスト水として下水処理水(以下これをリサイクルウォーターと称する)を用いることを提案し、その運用について淡水であるリサイクルウォーターが海水域に与える影響調査およびリサイクルウォーターの実用性を評価する実海域実験、船舶のバラスト水タンク内に搭載したリサイクルウォーターの水質を監視するためのバラスト水モニタリングシステムの開発および基礎実験ならびに実船での検証実験を行うこと、であった。 平成21年度の成果実績は以下の通りである。 平成20年度に作成したバラスト水モニタリングシステムを利用し、採取した実海域の海水および下水処理場から排出されたリサイクルウォーター(処理済み下水)採取し、サンプル水とした水質検査を実施した。水質検査に際しては、採取した海水およびリサイクルウォーターを約2週間程度、任意に決めた時間間隔にて水質検査を行う事により連続的な水質データ収集した。 また、実際に船舶へのバラストウォーター積込みを想定し、現状において日本の港においてリサイクルウォーターが活用可能かどうかの検討として、日本の主要港付近にある浄水場の場所および港からの距離を調査した。さらに千葉港においては、千葉港を管理する行政組織への訪問調査を行った。これらからバラスト水としてのリサイクルウォーター実用性について検討をおこなうた。 上記の結果を踏まえて、平成22年度の研究計画を策定した。 平成22年度は研究計画の最終年度となるため、研究成果の公表に向けての準備を行うことに重点を置き、その他、本研究において必要とされる実験等を実施する予定である。
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