研究分担者 |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90180562)
林 拓道 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (20344228)
和久井 善人 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (10358369)
小山 真一 日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター, 研究員 (70421782)
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研究概要 |
AMPマイクロカプセル内包モルデナイトの調製とCsの選択的分離について検討し,以下の成果を得た。 モルデナイト(SM)にPMA、硝酸アンモニウム-アルギン酸ナトリウムを1-3回含浸させることで、内部にAMP結晶を包括固定したAMPマイクロカプセル内包モルデナイトを調製した。XRD、FT-IRを用いて、SM内部にAMPが合成できたことを確認した。3種のAMP-MCモルデナイトにはAMPの回折ピークが認められ、SM内部へのAMPの合成担持が確認できた。 AMP担持前のSMへのCs吸着がおよそ10時間で平衡に達するのに対し、AMP-MCモルデナイトへのCs吸着は5時間以内で平衡に達し、吸着速度は飛躍的に向上した。平衡後の吸着率も向上しており、特に2回担持および3回担持では100%に達した。Cs吸着はLangmuir型吸着であり,算出した飽和吸着量は,AMP-MCモルデナイト(lcycle)で0.24mmol/gと最大であった。担持前のモルデナイトの分配係数は,1M以上の高濃度硝酸共存下で著しく低下するのに対して、AMP-MCモルデナイトの分配係数は10^3cm^3/g以上の高い値を保持している。また、含浸回数が多いものほど高い分配係数を有する傾向にある。Na濃度依存性についても同様の傾向がみられた。実際のHLLWの硝酸濃度は2~3M、Na濃度は約1Mであることから、本研究での結果では、この領域で高いCs^+吸着率が得られたため、AMP-MCモルデナイトはHLLWにおいても優れたCs吸着特性を示すことが期待できる。 Rb^+はCs^+とイオン半径が近く、モルデナイトに吸着性があることから、相互分離し、Csを高純度で回収して放射線源や熱源として有効利用することは重要である。CsとRbの分配係数には1桁ほどの差が見られ、分配係数の比である分離係数αCs/Rbは1M硝酸共存下で最大値の23に達した。このことより、カラムクロマトグラフィー法により、Csのみを選択的に分離できる可能性が示唆された。
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