本研究の高性能新型熱電変換システムは、高温部と低温部を金属導電材挿入で任意の距離4Mだけ離す事ができる特徴を持つ。熱転送効率については、1π型熱電変換素子当たりで規格化した熱転送効率COP値を実験で求める比較実験により、新型システムは従来型システムよりも約5倍大きくなる事を既に実証済みである。又、熱電変換特性についても、メーカーへの外注により試作セットを購入した銅挿入長LM=1.0cmの最新のコンパクトな高性能新型熱電変換システムと、同じメーカーの従来型熱電変換システムに対し、同じ実験条件の外部印加温度差(高温側約90℃、低温側約5℃)の下で、インピーダンス整合した外部負荷への供給電力を実測して、1π素子当りに規格化して比較する事により、図3に示す様に、ほぼ定常状態では新型システムが従来型システムの3倍以上の電力を外部負荷へ供給出来る事を実証した。この最新のコンパクトな新型システムと1つ前の手作業による銅挿入長LM=20.0cmの新型システムの両方でほぼ同じ実証実験結果を得たが、この事実は、本研究の高性能新型熱電変換システムが実用化開発の段階にある事も示している。また、実験結果を定量的に再現できるシミュレーションコードを開発し、実験結果を裏付けるシミュレーション結果も得ている。
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