研究課題
研究代表者は、シロイヌナズナのホメオボックス遺伝子であるATML1の位置依存的な発現に必要充分なシス配列に作用する全転写因子を同定するための新しい手法を開発している。1.平成20年度に既に開発した転写因子クローンのみを含むone-hybrid用ライブラリーを用いて、ATML1のシス配列に結合する転写因子をスクリーニングした。候補の転写因子を植物で過剰発現し、また推定される結合配列に変異を導入して、ATML1の発現パターンに与える影響を観察した。2.ATML1のシス配列を含むクロマチン領域の免疫沈降と質量分析を組み合わせて、植物細胞内で転写制御領域に実際に存在している転写因子複合体を生化学的に明らかにする実験について、平成21年度は、レプリコンの複製に必要なRep遺伝子の発現を誘導できる形質転換植物を選抜し、ホモ系統を確立した。また、レプリコンベクターの改良もおこない、少ない形質転換回数で解析に必要な系統が得られるように工夫した。3.シロイヌナズナの全転写因子の中で、特定の細胞・組織でのみ転写活性化能を持つ転写因子を半網羅的にスクリーニングすることで、位置情報を伝達する転写因子の候補を探す実験では、発現系の改良をおこなった。多くの転写因子は過剰発現すると植物体が致死になる可能性が高いため、二成分による発現制御システムを活用し、胚発生において転写因子の活性を可視化できるコンストラクトの作製と、植物への形質転換をおこなった。
すべて 2010 その他
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European Journal of Cell Biology 89
ページ: 225-230
Plant & Cell Physiology 51
ページ: 1-8
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~shinobu_takada/index.html