研究課題
本研究は、光照射によって、蛍光のオン・オフをスイッチングすることが可能な生理機能センサータンパク質を開発することで、生きた細胞内や個体内の特異的な部位における生理機能を高感度に観察する手法を構築することを目的とした。昨年度に作製したDronpaとDsRedをFRETのドナー・アクセプターとして利用した光スイッチ型Ca^<2+>指示薬PS-cameleonは光活性化前の状態でもDsRedによる青色励起光の吸収により蛍光が観察されたため、光スイッチングの利点の1つである高いコントラストを実現することができなかった。また、405nmのレーザーを照射し、Dronpaを活性化すると、緑色の蛍光が現れるものの、リガンド刺激に伴う細胞内Ca^<2+>濃度の変化を捉えることができなかった。本年度はFRETアクセプターとして緑色光を吸収するが蛍光性の無い色素タンパク質asCP572を用いる事で光スィッチングによるコントラストのさらなる増強を図った。その結果、細胞内おいて405nmと488nmの強光照射により蛍光性のオン・オフを高いコントラストでスイッチング可能であることが確かめられた。しかし残念なことに、蛍光オンの状態においてCa^<2+>結合による蛍光強度の変化は見られなかったため、Ca^<2+>指示薬として利用可能な段階には至らなかった。FRETアクセプターに利用しているasCP572はホモ4量体を形成することから、これによりCa^<2+>結合による指示薬の立体構造変化が阻害されていると推測される。今後、単量体型色素タンパク質の開発を行い、asCP572と置換することで、本問題の解決を図っていく。
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