研究課題
萌芽研究
オートファジーは、真核生物に普遍的に存在する細胞内大規模分解システムである。細胞成分の代謝回転、飢餓時の栄養源確保という基本機能に加え、免疫や発生・分化などにも関わり極めて多機能であることが最近明らかとなってきた。機能の一つとして発がん抑制が言われている。それはオートファジーに必須のタンパク質BeclinlのヘテロKOマウスで自然発生がんが多発すること等が根拠になっている。しかし我々は、Beclinlが2種類の複合体を形成しその一方はオートファジー以外の機能を持つ可能性を見出した。本研究では、このBeclinl複合体の詳細な解析を通して、Beclinlの発がん抑制作用が真にオートファジーを介して行われているのか否かを検証する。本年度は以下の成果を得た。Beclinlに結合するタンパク質として我々が同定した新規タンパク質のAtg14LとRubicon/UVRAGが相互排除的にBeclinlに結合することをまず確認した。ゲル濾過による解析から、Rubiconは、Beclinl、III型PI3キナーゼ、hVpsl5、UVRAGを含む複合体の一部に結合していることが判明した。またAtg14LとUVRAGは共に、Beclinl中央部のCoiled Coilドメインに結合することも分かった。ノックダウン実験により、Rubiconがエンドソームに局在し、オートファジーとエンドサイトーシス経路の両方で機能していること、その局在と機能にはBeclinlとの結合が必要であることが明らかになった。
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