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2008 年度 実績報告書

脊椎動物吸血性昆虫類における新規共生細菌の多様性,進化的起源,生物機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20657043
研究種目

萌芽研究

研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

深津 武馬  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究グループ長 (00357881)

キーワードサルジラミ / ニホンザル / 共生細菌 / 進化 / Candidatus Puchtella pedicinophila
研究概要

ニホンザルに寄生するサルジラミPedicinus obtususについて、共生細菌の同定をおこなった。長野県地獄谷温泉のニホンザルMacaca fuscataおよび屋久島のヤクニホンザルMacaca fuscata yakuiから採集したサルジラミから細菌16S rRNA遺伝子およびGroEL遺伝子をPCR増幅、クローニング、塩基配列決定、分子系統解析をおこなったところ、γプロテオバクテリア内で独自の系統群を構成することがわかった。ヒト,チンパンジー、ゴリラから知られるヒトジラミ属Pediculus spp.やケジラミ属Pthirus spp.の共生細菌であるRiesia spp.とは系統的に全く異なり,類人猿のシラミ類と旧世界ザルのシラミ類の共生細菌は進化的起源が異なることが判明した。In situハイブリダイゼーションにより生体内局在を可視化したところ,幼虫期には中腸胃部の後半の上皮細胞内に局在するが,3令幼虫期に雌では側部卵管に移動して特殊化した共生器官であるovarial ampullaeを構成し,そこから卵巣内の卵に垂直伝達されることが示された。相対速度テストの結果,この共生細菌の系統では分子進化速度の上昇やAT含量の上昇がおこっていることが示された。これらの知見を総合して,サルジラミの共生細菌に新規な共生細菌として"Candidatus Puchtella pedicinophila"の暫定学名を提唱した。本研究成果はApplied and Environmental Microbiology誌に掲載受理された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Intestinal endocellular symbiotic bacterium of the macaque louse Pediclnus obtusus : distinct endosymbiont origins in anthropoid primate lice and the Old World monkey louse(doi:10.1128/A)2009

    • 著者名/発表者名
      Fukatsu T., Hosokawa T., Koga R., Nikoh N., Kato T., Hayama S., Takefushi
    • 雑誌名

      Applied and Environmental Microbiology 75

    • 査読あり
  • [学会発表] 霊長類に寄生するシラミ類の細胞内共生細菌:その系統関係と進化的起源2008

    • 著者名/発表者名
      深津武馬, 細川貴弘, 古賀隆一, 加藤〓
    • 学会等名
      日本霊長類学会第24回大会
    • 発表場所
      明治学院大学(東京)
    • 年月日
      2008-07-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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