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2008 年度 実績報告書

メタエンザイム法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20658021
研究種目

萌芽研究

研究機関九州大学

研究代表者

大島 敏久  九州大学, 農学研究院, 教授 (10093345)

キーワード活性染色 / 耐熱性酵素 / 難培養微生物 / メタエンザイム / 酸化還元酵素
研究概要

自然界に存在する多種多様な微生物から有用酵素や新規酵素を見出すことは、酵素の新しい産業利用を図る上で、極めて重要である。本研究では、自然界の膨大な微生物遺伝子資源の有効な活用法として、微生物の培養過程を省略して、より有用性が期待できる酵素や新規な酵素を発見し、産業的応用への展開を可能にする新規メタエンザイム法を開発する。初年度は、60℃以上の高温環境である温泉土壌からのNAD依存性のD-乳酸、L-グルタミン酸、L-セリン、L-ロイシン、メゾジアミノピメリン酸などを基質とする脱水素酵素の検索をモデルとして、新規なメタエンザイム法の基本を確立することを目指し、次のような実験・研究を主に行い、次年度につながる成果を得た。
(1)環境酵素源としての大分県九重町小松地獄や長崎県雲仙市小浜温泉の源泉の60〜95℃の高温環境から土壌や泥試料の採取し、その土壌や泥にペプトンなどの栄養成分を加えた培養液で予め複数の微生物を混合培養し、それを酵素源とする方法を検討した。その結果、80℃で10mML-バリンを10g/Lペプトンに誘導剤として添加し、振とう培養して得た菌体は活性染色法でロイシン脱水素酵素を有することを見出した。この酵素は80℃以上の高温でも熱失活しないこれまで見出されていない最も耐熱性の高いロイシン脱水素酵素であることが期待できる。そこで、この酵素をイオンクロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ、電気泳動法などで迅速に精製する方法を検討し、部分精製酵素を得ることに成功した。この精製された酵素のN-末端アミノ酸配列と内部ペプチドのN-末端アミノ酸配列の決定とその情報に基づく目的遺伝子のPCR増幅のためのプローブの調製法について基本的な方法を明らかにできた。それゆえ、今後は、増幅遺伝子の大腸菌でクローニングと遺伝子の塩基配列の決定を進める予定である。
(2)その他の酵素として、小松地獄の泥から耐熱性の新規NAD依存性L-セリン活性を同様に見出した。これも本メタエンザイム法開発の有効な候補酵素となることが判明した。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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