細根生産量を簡易的に推定できる手法であるルートメッシュ法について、土壌撹乱が少ないこと、設置準備が容易なこと、メッシュの設置が早いこと、特別な形をしたシャベルで掘り取り可能なことなどの利点、根が設置時に切断されることや掘り取りに時間がかかることなどの欠点を整理した。それらの調査手順を写真付で調査用具とともに、原著論文としてPlant Rootに公表した。 また昨年度設置した茨城、滋賀、京都、兵庫、福岡のスギ8林分調査地において、土壌中のメッシュおよびイングロースコアの掘り取りを各8サンプルずつ行った。実際に一年後のメッシュおよびイングロースコアを掘り取った結果、新たな根の成長を確認することができた。さらにメッシュサイズ1mmのシートには、スギの新しい根が最大3mmの太さで通過していることを確認した。またメッシュシートの細根量解析時間はイングロースコアよりも短いことを明らかにした。今後これらの重量を測定し、調査地ごとに面積あたりの一年の細根生産量を推定する予定である。
|