研究課題/領域番号 |
20658051
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米倉 等 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40312623)
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研究分担者 |
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00229105)
川島 滋和 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80404846)
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キーワード | 農業経済学 / 畑作物 / 農村開発 / アジア地域研究 |
研究概要 |
本研究の対象となる東南・南アジア地域は、稲作中心の農業生産構造を有し、「緑の革命」と称される米の生産性の飛躍的な向上により、1980年代後半までには多くの国々で米自給が達成された。本研究は、政府主導の稲作中心の農業から、畑作生産を含む農業の多様化を進展させるために必要な市場流通機能の役割を明確にし、それを実証的に補完することを目的としている。 本年度は、インドネシアにおける稲作と畑作物の土地利用と市場価格の関係を、1977年から2007年までのデータを用いて分析を行った。コメ、トウモロコシ、大豆の栽培面積は、市場価格に反応するのに対して、キャッサバ、落花生、イモ類では有意な関係は見られなかった。近年、加工業やアグリビジネス産業において需要が高まっている畑作物だが、その需要動向や価格情報が農村部まで届かず、結果として畑作物の生産が伸びない、所謂「非効率な資源配分」に陥っている可能性が示唆された。 また、バイオ燃料の原料として注目されているサトウキビ、オイルパーム等の生産・加工過程の実態を把握するため、スマトラとジャワにおいて現地調査を行った。パームオイル栽培のための無秩序な熱帯雨林の伐採が問題となっていた。林業地の転用許可は、林業省自身への利益にもつながることから、安易に許可が出され、既存の農地の転用・再利用が十分にすすんでいなかった。限られた土地資源の有効利用を促進するための省庁間の連携が上手く機能しておらず、その制度的な問題が明らかになった。
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