研究概要 |
1) 水路網内の移動履歴追跡 個体標識および個体の分布パターンの季節変化など, 従来型の方法を用い, 調査地区内の魚類の移動パターンを想定した。その結果, 特定の支水路が産卵場である可能性が示唆されたため, 採集ポイントを定め支水路と幹線水路での採捕を行ない, サンプルを収集した。今年度は炭素・窒素同位体を分析した。その結果, 複数の支水路と本水路で固有の値を検出できたため, 季節的な変化に着目した結果,標識再捕などによる結果を支持するものとなった。次年度以降はサンプリングをさらに緻密に組み立て, その他の分析も加えることで, より正確な移動履歴を把握することが可能であることが期待される結果となった。 2) ため池から水路への移動 ため池に生息している魚類もため池からの放水に伴い, 水路内に移動してくることを考慮し, 複数のため池の魚類で, 1)と同様に池ごとに固有のシグナルが検出されたため, 当該手法の応用可能性が高くなった。
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