研究課題/領域番号 |
20658073
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三角 一浩 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10291551)
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研究分担者 |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60305167)
矢吹 映 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (10315400)
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キーワード | 椎間板 / ヘルニア / 診断マーカー / 脊髄損傷 / 脳脊髄液 |
研究概要 |
椎間板線維輪や髄核ではcartilage oligomeric matrix protein(COMP)の存在がすでに確認されていることから、犬の椎間板疾患(IVDD)症例の血清COMP値は変動する可能性がある。しかしIVDD犬の脳脊髄液(CSF)の中に、COMP特異抗体によるELISAで交叉反応を認めるものがある。本研究では、抗COMP抗体によってCSF中に検出される分子の組織由来と分布について検討した。 【方法】大槽および第5-6腰椎間穿刺により健常犬(n=5)とIVDD犬(n=19)からCSFを採り、抗COMPモノクローナル抗体によるウェスタンブロットとELISAを行った。マウス、ラットおよび犬から採材した新鮮な正常脊髄組織では、COMP分子および遺伝子にそれぞれ特異的な抗体およびプローブを用い、免疫組織学的評価とin-situ hybridization法を行った。 【結果】IVDDの腰椎間穿刺CSF(L-CSF)のウェスタンブロットでは、抗COMP抗体に反応する陽性バンドを認めたが、大槽穿刺CSF(C-CSF)および健常犬のCSFには検出されなかった。IVDD由来L-CSFのELISA値は高く、IVDD由来C-CSFとの問に有意差を認めた。マウス、ラットおよび犬の脊髄灰白質の細胞外基質に、COMP分子および遺伝子にそれぞれ特異的な抗体およびプローブが反応する陽性信号が確認された。 【総括】正常な脊髄灰白質構成基質には、分子および遺伝子発現がCOMPと一致する分子が存在し、それはIVDDによる脊髄損傷でCSFに検出されるようになる可能性が示唆された。
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