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2008 年度 実績報告書

卵細胞質抽出液を用いた体細胞のリプログラミング誘導

研究課題

研究課題/領域番号 20658081
研究種目

萌芽研究

研究機関京都大学

研究代表者

今井 裕  京都大学, 農学研究科, 教授 (10303869)

キーワードリプログラミング / 脱分化 / 無細胞抽出系 / 多能性誘導 / 全能性誘導
研究概要

アフリカツメガエル卵子を用いた無細胞抽出系では、抽出液中のリプログラミング因子を体細胞内に取り込ませるために、細胞膜透過にストレプトリシンOを用いて行われてきた。しかし、この製剤は安定性が悪く、実験ごとにデータがばらつきがある難点があり、細胞膜透過を安定的に誘導できる薬剤が求められていた。そこで、本実験では、界面活性剤であるジギトニンを用いて、ウシ、マウス、ブタの体細胞の細胞膜透過を行い、アフリカツメガエル卵子の卵抽出液中のタンパク質成分の哺乳動物体細胞核への移行について検討した。さらに、膜透過後にCaイオン存在下での膜修復を試み、修復後の細胞を体外培養を行って、培養細胞内での未分化マーカーなどの発現を指標に、卵子抽出液のリプログラミング誘導活性について検討した。その結果、体細胞に対するジギトニン処理によって、可逆的に体細胞の膜修復が可能であることが明らかとなった。また、哺乳動物細胞中には存在しないヒストンH4やラミンLIIIが細胞核内に取り込まれることを明らかにし、本処理によって、カエル卵抽出液中に特異的に存在する核タンパク質が哺乳動物閣内に移行できることを明らかにした。さらに、抽出液処理後の細胞を膜修復後に体外で培養することによって、多くの未分化細胞様のコロニーが出現し、OCT-4,SOX2やNANOGなどの未分化細胞に特異的に発現するマーカー遺伝子の発現上昇がみられたことから、ジギトニン処理によって膜透過した哺乳動物の体細胞は、カエルの卵抽出液で処理することによってリプログラミングを誘導できることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reversible membrane permeabilization of mammalian cells treated with digitonin and its use for inducing nuclear2008

    • 著者名/発表者名
      K. Miyamoto, T. Yamashita, T. Tsukiyama, N. Kitamura, N.
    • 雑誌名

      Cloning and Stem Cells 10

      ページ: 535-542

    • 査読あり
  • [学会発表] Mammalian oocytexe extracts induce chromatin remodeling and dedifferentiation of somatic cells, but do not global demethylation.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto K, Tsukiyama T, Minami N, Yamada M, Imai H.
    • 学会等名
      International Congress on Animal Reproduction
    • 発表場所
      Singapore
    • 年月日
      2008-07-14
  • [学会発表] Reversible permeabilization of mammalian somatic cells treated with digitonin for reprogramming and dedifferentiation by Xenopus cell-free system.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto K, Yamashita T, Minami N, Yamada M, Imai H.
    • 学会等名
      The 6^<th> International Society for Stem Cell Research
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      2008-06-11
  • [学会発表] DNA demethylation associated with nuclear reprogramming of the somatic cell genome in cell-free extracts from mammalian oocytes.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto K, Tsukiyama, T, Yang Y, Li N, Minami N, Yamada M, Imai H.
    • 学会等名
      The 41^<st> The Annual Meeting of the Society for
    • 発表場所
      Kailua-Kona, Hawaii
    • 年月日
      2008-05-27
  • [図書] 幹細胞の分化誘導と応用2009

    • 著者名/発表者名
      卵細胞抽出液を用いた体細胞のリプログラミング誘導
    • 総ページ数
      591-601
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス 出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.reprod.kais.kyoto-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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