研究課題
萌芽研究
アセタールから生成するカチオン性ホスホニウム塩の反応性を明らかにする目的で研究を行った。1)PPh_3を用いて得られるホスホニウム塩は反応性が低く、その加水分解に長時問を要した。そこで種々のホスフィンを用いて中間体の塩を生成させ、次いで水を加えて、その加水分解のされやすさを検討した。その結果、トリメシチルホスフィン由来のホスホニウム塩は反応性が高すぎ、瞬間的に反応するものの反応パターンが良くなかった。一方、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィンやビナフチルジフェニルホスフィン由来のホスホニウム塩は高い反応性を示す好ましい中間体である事を見出した。また反応混合物にベンジルアルコールを加えると、ベンジルアルコールが導入された混合アセタールが得られることから、塩の生成を立証した。2)1)のホスホニウム塩を光学活性なビナフチル誘導体を用いて行い、光学活性なホスホニウム塩の効率的な生成を見出した。3)メントールを用いて反応を行い、光学活性なホスホニウム塩の生成に成功した。また得られたホスホニウム塩をベンズアルデヒドに対してWittig反応を起こす事を確認した。4)PPh_3を用いて得られるホスホニウム塩をGrignard試薬と反応すると、相当するアルキル基置換反応が起きると共に、エーテル結合が切れたアルコールが得られる奇妙な反応を見出した。そこで^<18>Oでラベルしたアルコールを作り、カルボニルとの反応により、^<18>Oでラベルしたアセタールの合成に成功した。また本反応が種々のホスフィン由来ホスホニウム塩でも進行することを明らかにした。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)
Heterocycles 77
ページ: 1089-1103
J.Org.Chem. 74
ページ: 1418-1421
Chem.Eur.J. 15
ページ: 3526-3537
Heterocycles 79
ページ: 1113-1120
Tetrahedron 64
ページ: 4233-4245
Chem.Commun.
ページ: 4498-4500
Tetrahedron 65
ページ: 1059-1062
Topics in Current Chemistry, "Anthracyclines, Chemistry and Biology" (Ed by K.Krohn)(Springer)
ページ: 292-319
医薬品原薬・中間体製造におけるスケールアップとトラブル対策(シーエムシー出版)
ページ: 194-209
http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b005/