研究課題/領域番号 |
20659016
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90171561)
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研究分担者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 名誉教授 (60089597)
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60195261)
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キーワード | NMDA受容体 / チャネルブロッカー / ポリアミン / 能機能改善薬 / 構造活性相関 |
研究概要 |
NMDA受容体はCa2+をニューロンに輸送することにより、記憶の形成、脳虚血時の症状悪化に強く関与している事から、本分子標的のチャネルブロッカーは脳機能改善に大きく寄与すると考えられる。我々は既にNMDA受容体チャネルの最も狭い領域に強く結合する化合物、即ちアントラキノンとポリアミンのハイブリッド型分子を見いだしている。そこでこれらシード化合物を基本として合理的分子設計により種々の誘導体を合成し、これらの活性評価と構造活性相関の検討を行った。 NMDA受容体チャネル領域の三次元構造モデルをもとにin silicoでの分子設計の結果、アントラキノン母核に替わる官能基として、3環性複素環化合物のジベンゾアジピン環、ジヒドロジベンゾアジピン環、フェノチアジン環、カルバゾール環、β-カルボリン環、アクリドン環等を母核部として用いることとした。さらに、天然および非天然型のポリアミン類を合成し、母核部と結合することにより20種を越えるハイブリッド型チャネルブロッカーを創製した。以上のようにして得た化合物について、NMDAチャネルブロッカーとしてのIC50値を求めた。その結果、特に、ジヒドロジベンゾアジピンーホモスペルミン結合体はIC50=0.072μMを示し(既存の開発中薬剤であるメマンチンの10倍程度の活性)、その他のin vitro試験でも良好なデータを与えた。今後、薬物動態の改善を目指し、さらに分子修飾を進める予定である。
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