研究課題/領域番号 |
20659020
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00183567)
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研究分担者 |
小暮 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
山田 勇磨 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (60451431)
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キーワード | 細胞透過性ペプチド / MHCクラス-I / 抗原提示 / オクタアルギニン / 抗腫瘍効果 |
研究概要 |
Cell penetrating peptide(CPP)は、ペプチド、タンパク質、核酸などの様々な物質を細胞質に運ぶ目的で汎用されており、抗腫瘍ワクチン研究においても、抗原提示細胞の細胞質に抗原を送達させるために用いられている。我々は、CPPであるオクタアルギニン(R8)をリボソーム表面に高密度に修飾することで、ライソソームによる分解を回避し、効率よく細胞質に移行できることを報告。そこで本研究でば、表面にR8を修飾したリボソームを用いることで、抗原を効率よくMHCクラスIに提示することが可能となり、高い抗腫瘍効果を誘導できると考え、樹状細胞における取り込み、細胞内動態の解析、抗原提示効率、さらにはin vivoでの抗腫瘍効果を調べた。 リボソームにOVAを封入し、R8-lipの抗原提示効率を評価した。OVAを封入したリボソーム取り込ませた樹状細胞を、OVAペプチドとMHCの複合体を特異的に認識するT細胞ハイブリドーマを共培養し、活性化されたT細胞から産生するβガラクトシダーゼの活性を抗原提示の指標とした。MHCクラス1への抗原提示を調べた結果、R8-lipは、Cat-lipに比べて著しく高い抗原提示効率を示した。一方、MHCクラスIIへのR8-lipによる抗原提示は、Cat-lipに比べて著しく低い抗原提示効率であった。以上の結果より、R8-lipは、効率よくMHCクラスIに抗原提示でき、そのMHCクラスI提示は高い特異性を示すことが明らかになった。さらに、in vivoにおける抗腫瘍効果を調べたところ、R8-lipはin vivoにおいて、強力な抗腫瘍効果を誘導できることが明らかになった。
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